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Tuesday, 02 August 2011

うち中のお掃除をしていたら、熊本の坂本善三美術館のビラが出てきた。A4のコピー用紙一枚。質素な、ただの紙。が、いい文章だ。ほれぼれ。ここに書き写したら著作権侵害かしらん?書いた方のお名前がない。学芸員さんかな。
えーい、書いちゃえ。ご紹介したいし、自分も記憶したいから。坂本善三、大好きです。美術館がある、熊本県阿蘇郡小国町、めちゃめちゃいいとこです。ぜひ訪ねて下さい。

以下、書き写しです。

子どものみなさんへ。
子どもだったことのあるみなさんへ。

ここは美術館の展示室。たくさんの絵がならんでいます。

絵を見る前にまず、思い出してください。
今日の朝、窓を開けたとき、ほっぺたに感じた空気の温度を。
今日の朝ごはんのにおいを。味を。

もっと思い出してみてください。
遠足の日の朝の気分を。
夜、星がいっぱい出ている空を見上げたときの気持ちを。
押入れの中のまっくらやみを。
プールの中で目を開けたときの様子を。
霜柱を踏んだときの感触を。
落ち葉が風に舞うときの音を。
春の森のにおいを。

なにか思い出しましたか。心の中でなにか動きましたか。

よし これで絵を見る準備はOK。
今日は善三先生の絵をたくさん見てください。
ゆっくり じっくり 見てください。
ゆっくり じっくり 見たら、きっと何かが心に浮かぶでしょう。
あなたの心に浮かんだことは、あなただけのもの。
それは、誰かのと似てるかもしれないし、全然ちがうかもしれない。
それは、あなたの「心のひきだし」に大事にしまってあったもの。
それは、あなたがこれまで生きてきて、感じたり、経験したりしたことのすべて。
ゆっくり じっくり 絵を見たとき、どの「ひきだし」が開くでしょうか。
「ひきだし」の中から出てきたものは、言葉にならないようなぼんやりした気持ちかもしれないし、ぴったりの言葉がなかなか見つからないかもしれないけど、それをとなりの大人に話して聞かせてあげてください。
今日は何でも聞いてくれるはずです。

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