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Tuesday, 18 October 2011

「雪の中のきれ」(石崎忠司著)という本を読んでいる。昭和41年発行の古い本。雪国新潟の中でも名だたる豪雪地帯の北越の織物を巡る風土記。雪に埋もれるこの地帯の開けざる時代。生きるだけで精一杯の中から織物が生まれ育つ。丁寧で愛あふれる文章。ぐいぐい引き込まれる。すーっと入ってくる。

千年変わらず織られた麻布の行程が分かりやすく書かれていて面白かった。
秋の彼岸をすぎる頃に、青苧を刈り取る、皮をはぐ、苧績(おうみ)の作業。撚りをかけ「つむ」に巻く。綛にする。この頃にはもう2月。綛のままで雪ざらし。染めるものは紺屋にだす。そしてやっと経台へかける。それからようやく居ざり機にかける。
そしていよいよ織るのだけど、織り手はまず髪を洗ったのだって。これは髪の油が布につかないように。そして近所の仲間を招いて、豆を煎ってそれを食べながら前祝いをしたそう。さらに、桜やつつじなどの枝を織り機に飾って機の神様をなぐさめたそう。そしてわらじをひとつ付けたのだって。これはネズミよけのおまじない。

彼女たちの気持ち、わかる。

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