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Tuesday, 22 January 2013

日曜日に「Kimono Beauty ―シックでモダンな装いの美 江戸から昭和―」に出かけたのは、長崎巌先生による記念講演を拝聴するためでした。この講演会、申し込み制で、抽選です。申し込み多数になるのは予想できましたので、メールに念を込めて送りましたからね。当たった!

で、大変興味深いお話でした。なぜ着物を着物と呼ぶようになったとかね。
平安から江戸時代は、小袖って呼んでいたのだけど、それは大袖に対する言葉。大袖とは、袖が大きくて活動的でなく、働かない特権階級の衣服。働く階級は小袖と呼ばれる筒袖の衣服を着ていたけど、鎌倉時代などへ時代が下がって、働く階層である武士階級が力を持ち、権力を衣服によって示すようになり、小袖に袂(たもと)がついた。これが着物の原風景で、多くの人がこれを着用するようになった。だから「小袖」と一般的な衣服を表す「着物」と言う言葉は並列なのだ。その後明治維新で、大袖を着ていた層(公家とか)が、着物を着なくなったため、小袖の対の言葉がなくなった。よって、小袖と言う言葉も消え、着物が残った。ふーん。

で、さらに興味深いのは、洋服という言葉の成り立ち。明治維新で西洋の衣服を取り入れるようになった我が国だが、大袖を着ていた特権階級がいち早く洋装を取り入れた。ではなぜ、「洋服」という言葉にしたのか?なぜ「洋着物」でないのか?それは、着物は小袖と同義だから。「洋小袖」じゃ意味が違う。ではなぜ「洋衣」でないのか?「衣」という言葉は、大袖小袖以前の、飛鳥奈良時代の衣服の総称が「衣(ころも・きぬ)」だったから、すでに使われているから使えないだそうです。うーむ。

「小袖」と呼ばれていた時代の着物、ビゲローコレクションにもありました。とても自由でのびのびして美しい。目が吸い付けられる。
「衣」時代のものは、まず残ってないけど(正倉院御物の裂とかに少々あると思うけど)、なんか想像してうれしくなる。衣や小袖の息吹を感じる現代着物、作りたい。

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